令和7年度第2回 認定日本語教育機関の認定結果を読む
令和7年度第2回 認定日本語教育機関の認定結果を読む
――「認定32%」ではなく、「認定+継続審査45%」として見るべき理由
令和7年度第2回の認定日本語教育機関の認定結果が公表されました。
文部科学省の公表によれば、今回の申請機関総数は100機関です。
その内訳は、法務省告示機関58機関、大学別科等1機関、その他41機関でした。
そのうち、認定とされた日本語教育機関は32機関、不認定は2機関、継続審査は13機関、審査中の取下げは53機関です。
また、認定32機関の内訳は、法務省告示機関22機関、大学別科等0機関、その他10機関でした。
この数字だけを見ると、今回の認定率は32%にとどまるように見えます。
しかし、認定結果を実務的に読む場合には、「取下げ」と「継続審査」を正しく区別して評価することが重要です。
認定審査では、そのままでは認定が認められないと判断される場合、不認定の結果を出す前に、申請取下げを促す取下げ指導が行われています。
したがって、取下げは単なる任意撤退ではありません。
多くの場合、現時点では認定が困難であった申請と見るべきです。
これに対して、継続審査は、取下げや不認定とは性質が異なります。
継続審査となった場合、その次の回で認定される可能性が高いと考えられます。
「継続審査」の判定は、認定を「可」とすべき要件が完全には具備されていないものの、短期間にこれを是正することが可能と期待されると判断された場合に行われる。(文部科学省「認定日本語教育機関の認定申請等の手引き」)
上記のとおり、継続審査は、根本的に認定が困難な申請ではなく、短期間での是正可能性があると判断された場合に行われるものです。
そのため、今回の結果は、単純に「認定32機関」と見るのではなく、
「認定32機関+継続審査13機関=45機関が認定可能性の高い層に残った」
と読むべきです。
1. 過去回との比較――今回は「認定率」は通常水準だが、「認定可能性」は高め
過去の認定結果概要と今回結果を比較すると、次のようになります。
| 認定回 | 申請総数 | 認定 | 不認定 | 取下げ | 継続審査 | 認定率 | 認定+継続審査 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度第1回 | 72 | 22 | 3 | 36 | 11 | 約30.6% | 約45.8% |
| 令和6年度第2回 | 48 | 19 | 0 | 29 | 0 | 約39.6% | 約39.6% |
| 令和7年度第1回 | 74 | 23 | 0 | 51 | 0 | 約31.1% | 約31.1% |
| 令和7年度第2回 | 100 | 32 | 2 | 53 | 13 | 32.0% | 45.0% |
令和6年度第1回から令和7年度第1回までの過去の認定結果概要では、継続審査数は明示されていません。
ただし、申請総数から「認定数+不認定数+取下げ数」を差し引くと、令和6年度第1回は11機関が継続審査であったと分かります。
一方、令和6年度第2回と令和7年度第1回は、同じ計算上、継続審査は0機関となります。
なお、令和6年度第2回の数字を読む際には、もう一つ注意が必要です。
令和6年度第1回では、申請総数72機関から「認定22機関、不認定3機関、取下げ36機関」を差し引くと、11機関が継続審査であったと推定されます。
そして、令和6年度第2回の認定19機関の中には、この令和6年度第1回で継続審査となった11機関が含まれていた可能性が高いと考えられます。
そうすると、令和6年度第2回の「認定19機関」という数字は、その回の新規申請だけで認定された数ではなく、前回からの継続審査案件を相当数含んだ数字であった可能性があります。
その場合、令和6年度第2回の新規申請機関に限って見た実質的な認定率は、表面上の約39.6%よりもかなり低く、極めて厳しいものであったと考えられます。
この点を踏まえると、令和6年度第2回の認定率が一見高く見えることをもって、「この時期の審査が比較的緩やかだった」と見るのは適切ではありません。
むしろ、継続審査案件が次回で認定された可能性を考慮すると、当時から新規申請に対する審査はかなり厳格であったと読むべきです。
このように見ると、今回の令和7年度第2回は、認定率だけを見れば32%であり、令和6年度第1回や令和7年度第1回と大きく変わりません。
しかし、継続審査13機関を「次回認定の可能性が高い層」として加えると、45%が認定または認定可能性の高い層に残っていることになります。
したがって、今回の結果は、単に「厳しい審査が続いている」と見るだけでなく、
一定数の申請については、修正・補正を経て次回認定につながる可能性が高い段階に来ている
と読むことができます。
2. 法務省告示校とその他機関の認定率の変化
次に、法務省告示機関とその他機関の認定率を比較します。
| 認定回 | 告示機関 申請数 |
告示機関 認定数 |
告示校 認定率 |
その他 申請数 |
その他 認定数 |
その他 認定率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度第1回 | 20 | 7 | 35.0% | 51 | 15 | 約29.4% |
| 令和6年度第2回 | 16 | 5 | 約31.3% | 32 | 14 | 43.8% |
| 令和7年度第1回 | 34 | 7 | 約20.6% | 39 | 16 | 約41.0% |
| 令和7年度第2回 | 58 | 22 | 約37.9% | 41 | 10 | 約24.4% |
令和6年度第2回と令和7年度第1回では、その他機関の認定率が法務省告示機関を大きく上回っていました。
特に令和7年度第1回では、法務省告示機関の認定率が約20.6%であったのに対し、その他機関は約41.0%でした。
これは、既存の法務省告示校が、旧来の教育課程や運営方法を十分に再設計しないまま申請した場合、むしろ不利になり得ることを示していたと考えられます。
特に、JLPT対策中心、文法・語彙中心、評価方法が旧来型、学則や情報公表が不十分といった点は、認定審査では大きなリスクになります。
ところが、今回の令和7年度第2回では、この傾向がいったん逆転しました。
法務省告示機関は58機関中22機関が認定され、認定率は約37.9%です。
一方、その他機関は41機関中10機関の認定にとどまり、認定率は約24.4%です。
もっとも、ここでも継続審査13機関の扱いに注意が必要です。
今回公表されている情報では、継続審査13機関が法務省告示機関なのか、その他機関なのか、その内訳は明らかではありません。
そのため、最終的な比較は、次回以降の結果を見なければ確定できません。
仮に継続審査13機関の多くがその他機関であれば、その他機関の最終的な認定率は大きく上がる可能性があります。
反対に、継続審査の多くが法務省告示機関であれば、法務省告示校の認定率回復はさらに明確になります。
したがって、今回の段階でいえるのは、
認定率では法務省告示校が回復したが、継続審査の内訳が未公表であるため、最終的な優劣はまだ確定していない
ということです。
3. 定員規模から見る今回の認定結果――大規模校の優位と、200名以下告示校の認定増加
今回の認定結果を定員規模の観点から見ると、もう一つ重要な特徴が見えてきます。
認定32機関を定員規模別に整理すると、次のようになります。
| 定員規模 | 認定機関数 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 80~100名 | 12機関 | 告示校からの移行は2校のみで他は新規校と考えられる |
| 101~200名 | 6機関 | 法務省告示校からの移行と考えられる |
| 201~500名 | 8機関 | 中規模以上の告示校移行 |
| 501名以上 | 6機関 | 大規模告示校移行 |
この表のうち、まず注目すべきなのは、501名以上の大規模校が6機関認定されている点です。
新規の認定日本語教育機関については、当初の収容定員数が100人以下とされています。
したがって、501名以上の定員で認定されている機関は、新規校ではなく、基本的に法務省告示機関からの移行校と見るべきです。
留学告示別表第1の日本語教育機関は多数存在しますが、その中で500名を超えるような大規模校は、全体から見れば限られると考えられます。
それにもかかわらず、特に法務省告示機関からの認定校22機関の中に、501名以上の大規模校が6機関含まれていることは注目に値します。
この点からすると、少なくとも今回の認定結果では、
500名超の大規模な法務省告示校が、比較的認定されやすかった可能性
があります。
その理由としては、大規模校ほど、認定申請に必要な作業環境を整えやすいことが考えられます。
認定申請では、教育課程、シラバス、評価方法、学則、情報公表、教員研修、学生支援、財務・運営体制など、多岐にわたる資料を整合的に作成しなければなりません。
小規模校では、主任教員や少数の事務職員に作業が集中しやすく、通常業務と並行して申請書類を整えることが大きな負担になります。
これに対して、大規模校では、教務部門、事務部門、学生管理部門、経営管理部門などが一定程度分化していることが多く、申請作業の分担や外部専門家の活用もしやすいと考えられます。
また、既存の運営実績、教員数、施設規模、学生管理体制なども、申請書類上の説明材料になり得ます。
したがって、今回の結果からは、
500名超の大規模校は、制度対応のための人的・時間的・財政的余力を確保しやすく、そのことが認定審査上有利に働いた可能性がある
と考えられます。
もっとも、今回の定員規模別の結果は、「大規模校だけが認定されやすい」という単純な結果でもありません。
むしろ、今回新たに注目すべきなのは、定員200名以下の法務省告示校が8校認定されたと見られる点です。
令和7年度第1回までの認定結果を見る限り、法務省告示校からの移行で認定された学校は、ほとんどが定員300名を超える中規模以上の学校でした。
定員100名程度の規模の学校で認定された例は、グループ企業が運営する学校群の一つであったものや、法務省告示校としての告示を受けてから間もない学校など、比較的特殊なケースが中心であったと考えられます。
特に後者については、単に「新しい告示校だから認定されやすかった」というよりも、在留資格認定証明書交付申請の交付率等の関係で通常の学校運営業務の量がまだ比較的少なく、認定申請準備に人的・時間的資源を割きやすかった可能性があります。
また、告示校として設立された時点で、すでに認定日本語教育機関制度への移行を念頭に置き、教育課程、施設、教員体制、運営体制等を設計していた可能性もあります。
したがって、令和7年度第1回までに見られた小規模寄りの告示校の認定例は、一般的な小規模告示校が広く認定されていたというより、通常業務の負担や制度設計上の条件において、認定申請に対応しやすい特殊なケースであったと見るべきです。
これに対して、今回の令和7年度第2回では、定員200名以下の法務省告示校が8校認定されています。
これは、従来よりも小規模な既存告示校にも、認定制度への対応が広がり始めていることを示すものとして注目できます。
この変化は、法務省告示校からの移行申請において、必ずしも大規模校だけが認定に近いわけではないことを示しています。
小規模・中小規模の告示校であっても、教育課程、評価方法、学則、情報公表、研修体制を認定制度に合わせて再設計し、申請作業を組織的に進めることができれば、認定に至る可能性は十分にあります。
ただし、これは「小規模校でも簡単に認定される」という意味ではありません。
小規模校では、申請作業を担当できる人員が限られ、主任教員や事務担当者に負担が集中しやすいという課題があります。
そのため、小規模・中小規模の告示校ほど、早い段階から申請準備の役割分担を明確にし、必要に応じて外部専門家も活用しながら、教育課程と申請書類の整合性を確保することが重要です。
結局のところ、大規模校が有利であるとすれば、それは「規模そのもの」が評価されるからではありません。
認定制度に対応するための組織的な準備体制を整えやすいことが、結果として有利に働くという意味で理解すべきです。
他方で、今回、200名以下の告示校が複数認定されたことは、小規模・中小規模の既存校にも、十分に認定の可能性があることを示しているといえるでしょう。
4. 今回の結果は「告示校有利」への転換なのか
今回、法務省告示機関の認定率は約37.9%まで回復しました。
しかし、これを単純に「告示校が有利になった」と読むのは危険です。
令和6年度第2回から令和7年度第1回にかけて、法務省告示校の認定率が低かったことは、既存校が旧制度のままでは通用しないことを示しました。
その後、今回の第2回では、法務省告示校側が過去の審査結果や文部科学省の説明資料を踏まえ、教育課程・評価方法・学則・情報公表の見直しを進めた結果、認定に至る機関が増えた可能性があります。
つまり、評価されたのは「法務省告示校としての実績」そのものではなく、
認定制度に適合するように再設計したこと
であると考えられます。
実際、文部科学省の不認定相当事例資料では、教育課程の編成において、教育理念・教育目標・特色、学習者の背景等を踏まえた具体的なCan-doになっていないこと、
教育理念・目的・目標・授業科目・具体的内容が関連していないこと、JLPT対策や言語知識中心の従来型カリキュラムにとどまっていることなどが問題視されています。
したがって、告示校であっても、旧来型のカリキュラムをそのまま認定制度の様式に流し込むだけでは不十分です。
逆に、既存の教育実践を日本語教育の参照枠、Can-do、言語活動、評価、修了要件、情報公表へと適切に再構成できれば、認定に近づくことができます。
5. カリキュラム審査の核心――目的・目標・内容・評価の整合性
認定日本語教育機関の審査では、教育課程の目的・目標・内容・評価が一貫しているかが重要になります。
例えば、教育課程の到達目標とレベル設定、学習内容、授業科目、評価方法が合っていなければ、どのような日本語能力を目指す教育課程なのかが不明確になります。
認定機関に対しても、評価方法、評価基準、評価ツールの選定・運用について、達成すべき目標との関連性を明確にすること、評価基準の統一、教員間・生徒との情報共有、評価の公平性・一貫性の確保が求められています。
また、不認定相当事例では、形式的には五つの言語活動を科目に盛り込んでいても、例えば「話すこと(やり取り)」を体系的に伸ばす実質的な授業内容がない場合や、会話科目が定型文暗記に終始している場合には問題となることが示されています。
つまり、審査で見られているのは、五つの言語活動を様式上に記載したかどうかではありません。
重要なのは、次の流れが一貫しているかです。
- どのような学習者を受け入れるのか。
- その学習者を、どのレベルまで到達させるのか。
- そのために、どの授業科目を置くのか。
- 各科目で、どの言語活動を、どの教材・活動で伸ばすのか。
- その成果を、どの評価方法で確認するのか。
- 最終的に、課程全体としてどのように修了を認定するのか。
この流れを、書類上も、面接審査でも、説明できることが重要です。
6. 「継続審査」が示すもの――補正可能な課題と、取下げ相当の課題は違う
今回、13機関が継続審査となったことは、認定申請の実務上、非常に重要です。
継続審査は、申請内容に課題があるものの、取下げや不認定とは異なり、次回の審査で認定に至る可能性が高い状態です。
手引き上も、継続審査は、認定を可とすべき要件が完全には具備されていないものの、短期間に是正可能と期待される場合に行われるものとされています。
したがって、書類の整合性、学則の明確化、情報公表の整備、評価方法の整理、教員研修計画の具体化など、短期間で補正・再整理できる課題であれば、継続審査後に認定される可能性が高いと考えられます。
これに対して、取下げに至るケースでは、教育課程の基本設計、主任教員の理解、運営体制、財務・学生募集計画など、申請の根幹に関わる問題があり、短期間での修正が困難と判断された可能性があります。
取下げ指導が行われるという実務を踏まえれば、取下げは「今回は認定困難であった層」と見るべきです。
したがって、今回の結果は、次の三層に分けて読むべきです。
| 区分 | 機関数 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 今回認定 | 32機関 | 現時点で認定基準を満たすと判断された層 |
| 継続審査 | 13機関 | 短期間での是正により、次回認定の可能性が高い層 |
| 不認定・取下げ | 55機関 | 現時点では認定困難と考えられる層 |
このように見ると、今回の結果は、単なる「32%の認定率」ではなく、
45%が認定または認定可能性の高い層に残り、55%が認定困難層に回った結果
と分析できます。
7. 複数コース設計では、学習時間と到達目標の合理性が問われる
認定審査では、複数コースを設ける場合の整合性も重要です。
不認定相当事例では、複数のコースでレベルごとの学習時間が異なるにもかかわらず、到達目標が同じであることについて明確な説明が得られなかったケースが問題視されています。
また、学習時間に鑑みて、最終的にB2という到達目標に達成できる課程編成になっていないことも不認定相当事例として示されています。
これは、2年コースと1年6か月コースを併設する学校にとって重要です。
両コースで同じB2到達を掲げる場合、単に「同じ教材を速く進める」だけでは説明として不十分です。
1年6か月コースでは、入学時の日本語能力を高めに設定するのか、学習時間の密度をどのように確保するのか、自律学習や補習をどのように組み込むのか、評価時期をどう設計するのかを、具体的に説明する必要があります。
レベル設定については、課程の目的・目標に照らして妥当か、日本語教育の参照枠のレベル感とかけ離れていないか、学習時間を確保しているといえるかが確認されます。
8. 評価制度は「複雑さ」ではなく「説明可能性」が重要
今回の認定結果では、評価方法に関する留意事項が非常に多く見られます。
これは、評価制度を複雑にすればよいという意味ではありません。
むしろ、ルーブリック評価、ポートフォリオ評価、自己評価、形成的評価、総括的評価などを多く盛り込むほど、それぞれの位置付けが不明確になり、かえってリスクが高まる場合があります。
不認定相当事例資料では、学習成果の評価について、到達目標・学習目標の設定から評価方法、評価項目、評価基準、学習活動の設計まで、一貫した方針のもとに編成することが求められています。
また、出席や授業態度等が評価の多くを占め、科目の学習目標を達成したかどうかを適切に測っていない場合や、話す科目を筆記試験のみで評価する場合、ルーブリック評価を導入していても評価基準が不明確な場合などが問題とされています。
評価制度で重要なのは、次の点です。
- 何を評価するのか。
- どの評価方法で測るのか。
- 評価基準は教員間で共有されているか。
- 学生に事前に説明されているか。
- 科目成績と課程修了の判断がどうつながるのか。
- 到達度評価と熟達度評価の関係が整理されているか。
これらを説明できなければ、評価制度としては不十分と見られる可能性があります。
9. 今回の結果から見る実務上の教訓
今回の令和7年度第2回認定結果から、実務上は次の点を読み取る必要があります。
第一に、認定率は、今回認定された機関数だけで見てはいけません。
今回のように継続審査が明示されている場合には、認定と継続審査を分けて評価する必要があります。
第二に、今回の結果は、認定32%、継続審査13%、不認定・取下げ55%と見るべきです。
継続審査は、次回認定の可能性が高い層として、取下げとは明確に区別すべきです。
第三に、法務省告示校の認定率は今回回復しました。
ただし、継続審査13機関の機関種別内訳が未公表であるため、最終的な比較は次回結果を待つ必要があります。
第四に、定員規模を見ると、今回の認定校には501名以上の大規模校が6機関含まれる一方で、定員200名以下の法務省告示校も8校認定されたと見られます。
大規模校は、認定申請に必要な人的・時間的・財政的な体制を整えやすく、そのことが認定審査上有利に働く可能性があります。
他方で、今回の結果は、小規模・中小規模の告示校であっても、制度に合わせて教育課程・評価方法・運営体制を再設計できれば、認定に至る可能性があることを示しています。
第五に、その他機関の認定率は今回低下しました。
新規校・その他機関であっても、制度に合わせてゼロから設計しやすいという利点だけでは足りず、教育課程、評価、研修、情報公表、学則、運営体制を実際に機能する形で整備する必要があります。
第六に、カリキュラム審査の核心は、目的・目標・内容・評価の整合性です。
教育理念、Can-do、授業科目、教材、活動、評価、修了要件が一貫していなければ、形式的に様式を埋めても通用しません。
10. まとめ
令和7年度第2回の認定結果は、単純に「認定率32%」と見るべきではありません。
今回の特徴は、100機関中32機関が認定され、さらに13機関が継続審査として残った点にあります。
継続審査は、短期間で是正可能と期待される場合に行われるものであり、次回認定の可能性が高い層です。
そのため、今回の結果は、
45機関が認定または認定可能性の高い層に残り、55機関が不認定・取下げとなった結果
として読むのが実務的です。
また、法務省告示機関の認定率が回復したことも注目されます。
ただし、これは「告示校だから有利」ということではありません。
旧制度の実績をそのまま持ち込むのではなく、認定制度に合わせて教育課程・評価・学則・情報公表・研修体制を再設計できたかどうかが問われていると考えるべきです。
その一方で、今回の結果からは、501名以上の大規模校が申請作業の体制を整えやすく、認定審査に対応しやすい可能性も見えてきます。
ただし、今回、定員200名以下の法務省告示校も8校認定されたと見られることから、小規模・中小規模の既存校にも認定の可能性はあります。
認定申請は、教務・事務・経営・学生管理を横断する大きなプロジェクトであり、規模の大小にかかわらず、組織的に準備できるかどうかが成否を左右します。
認定申請において重要なのは、申請書類の体裁を整えることではありません。
どのような学習者を受け入れ、どのような日本語能力を身に付けさせ、そのためにどのような教育課程を設計し、その成果をどのように評価し、どのように継続的に改善していくのか。
この問いに、書類上も面接審査上も、具体的かつ一貫して答えられることが、認定申請の成否を分けるといえるでしょう。
当事務所では、日本語教育機関の現場実務と法務の双方の観点から、認定日本語教育機関の設立・認定申請・運営体制整備を支援しています。
認定申請を検討されている方、または法務省告示校から認定日本語教育機関への移行を検討されている方は、早い段階で教育課程、評価方法、学則、情報公表体制の整合性を確認することをお勧めします。
参考資料
- 文部科学省「認定日本語教育機関の認定結果」
- 文部科学省「令和7年度第2回認定日本語教育機関の認定結果一覧」
- 文部科学省「認定日本語教育機関 認定結果概要」
- 文部科学省「認定日本語教育機関の認定申請等の手引き」
- 文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会日本語教育部会長所見」
- 出入国在留管理庁「受入れ機関に係る情報」
- 文部科学省「これまでの申請における教育課程に関する主な不認定相当事例」
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